メタルフリー歯科とは
口腔内で使用される補綴装置は金属、レジン、陶材のいずれかによって作られます。
基本的に口腔内で使用される金属は安全性の高いものが使用されますが、金属アレルギーが発症してしまうリスクがあります。また、金属は金属色であるため、見た目の問題もあります。
金属 | レジン | 陶材 | |
---|---|---|---|
歯冠色 | ×金属色 | ○ | ◎ |
アレルギー | ×起こり得る | ○起きにくい | ◎起こらない |
強度 | ◎ | △ | ○ |
金属 | インレー(詰め物) | 部分入れ歯 | 総入れ歯 | |
---|---|---|---|---|
保険 | あり | 銀合金 金銀パラジウム合金 |
レジン床義歯+クラスプ 熱可塑性レジン床義歯+クラスプ |
|
なし | レジン床義歯 熱可塑性レジン床義歯 *シリコーン裏層 | |||
自由 | あり | 金合金 | ノンメタルクラスプ +金属床(金合金、チタン・コバルトクロム) 金属床(金合金・チタン・コバルトクロム) テレスコープ バーアタッチメント 磁性アタッチメント |
金合金床 チタン床 コバルトクロム床 *シリコーン裏層 |
なし | セラミック ジルコニア |
ノンメタルクラスプ+レジン床 O₋Ring |
金属 | クラウン(被せ物) | ブリッジ | ポストコア(土台) | |
---|---|---|---|---|
保険 | あり | 銀合金 金銀パラジウム チタン合金 |
金銀パラジウム | 銀合金 金銀パラジウム合金 メタルポスト+レジン |
なし | レジン 高強度レジン |
高強度レジン | レジン ファイバーポスト+レジン | |
自由 | あり | メタルボンド | 金合金 コバルトクロム合金 メタルボンド |
金合金 |
なし | セラミック ジルコニア ジルコボンド |
セラミック ジルコニア ジルコボンド |
インレー(詰め物)
保険で使用されるインレーは、子供だと銀合金、大人だと銀合金か金銀パラジウム合金が用いられます。金銀パラジウム合金も銀の含有量は50%を超えているので、銀にアレルギーのある人は注意が必要です。
※パラジウムもアレルギーの人が多い金属です。 また、歯の詰め物として用いられる歯科用水銀アマルガムは水銀を含むため、アレルギーになる可能性がある詰め物です。
金属のインレー:金銀パラジム合金、銀合金、金合金など
セラミックのインレー:セラミック、ジルコニア
レジンのインレー:高強度レジンブロック、レジン
部分入れ歯(部分床義歯)
メタルフリーの部分床義歯 ノンメタルクラスプデンチャー
保険の部分床義歯はクラスプ(金属製のバネ)を歯にかけることで口腔内に保持させるクラスプデンチャーです。そのため、金属を必ず使用することになります。
ノンメタルクラスプデンチャーはバネの代わりにを床と一体化した特殊な樹脂材料により製作したアームによって固定する入れ歯です。レスト部は通常金属で製作しますが、金属をまったく使用しないで製作も可能です。
保険の部分入れ歯:クラスプデンチャー
自由診療の部分入れ歯の1種:ノンメタルクラスプデンチャー
総入れ歯(全部床義歯)
総入れ歯は、人工歯と床から構成されています。保険の総入れ歯は人工歯、床ともにレジンでできています。
保険のレジン床義歯。メタルフリーです。
自由診療の総入れ歯の1種、口蓋部分を金属で作ることで丈夫で薄くできます。
クラウン(冠、被せ物)
クラウンには十分な強度が求められます。
金属を用いたクラウンです。銀合金、金銀パラジウム合金、チタン合金、金合金、コバルトクロム合金などが用いられます。
金属を用いないクラウンです。レジンやセラミック、ジルコニアが用いられます。
土台(ポスト・コア)
土台(ポスト・コア)は金属あるいはレジンで築盛します。金属は一般に銀合金、場合により貴金属やチタン合金
レジンは芯棒に金属やグラスファイバーを使います。
メタルフリーのポスト・コアはファイバーポスト、レジンコアです。