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武蔵境の歯科医院。しらかば歯科です。

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〒180-0022 東京都武蔵野市境1-5-3

歯周病

歯周病はこんな病気です

 歯周病は骨の病気です。歯の周りについた歯垢の中の歯周病原因菌により第一段階として歯茎が腫れ、引き続いて骨が炎症によって溶けていく病気です。かつて歯槽膿漏と呼ばれてきましたが、これは歯周病お末期症状である歯を支えている歯槽骨から膿が涌いてくる状態を表現したものです。

置物1 置物2
キレイな歯並び、キレイな舌の色。健康的な口です。 歯茎が腫れて歯並びが乱れ、舌の色がにごっています。不健康な口ですね。

 歯周病は9割を超える成人が罹患している国民病です。歯周病は歯周病原因菌による感染症であり、様々な危険因子により像悪します。むし歯とともに歯を失う2大原因です。お口は毎日使うもの。定期的なメインテナンスと早期治療により、健康な歯茎を目指しましょう。

歯周病のチェックをしましょう

 歯が痛みがでないのは神経の通っている歯髄、象牙質を硬いエナメル質が覆っているためです。このエナメル質が虫歯や外力によって失われると象牙質が露出し刺激をうけるようになります。















Q1 歯がぐらついている
Q2 歯茎が赤い
Q3 歯茎を押すとブヨブヨする
Q4 歯が浮くような感じがする
Q5 歯茎から自然に出血する
Q6 歯茎に痛みがある
Q7 歯茎がやせてきた
Q8 歯茎が痒い
Q9 口臭が気になる、指摘された
Q10 物が噛み切れなくなった
Q11 歯茎から膿がでる
Q12 水を飲むと歯や歯茎がしみる
Q13 抜けたままにしている歯がある
Q14 歯を磨くと血がでる
Q15 朝起きたときに口の中が粘ついている
 
 何個チェック項目がありましたか?
0個   ・・・今のところ歯周病の心配はありません
1〜3j個・・・軽い歯肉炎の可能性があります
4〜6個・・・一度歯科医院で検査をする必要があります
7〜9個・・・歯周病が進行しています。すぐに治療を開始しましょう。
10個〜・・・歯周病です。歯を失う前に治療をしましょう
     


歯周病の進行

 歯周病は基本的には歯周病菌による感染症ですが、妊娠や思春期といったホルモンバランスの変化、免疫不全症候群、糖尿病、がん、骨粗しょう症、喫煙などの全身の影響をうけます。かつては修飾される原因により多くの種類に分けられてきましたが、現在では歯肉の炎症程度、歯槽骨の吸収程度、歯の動揺度により歯肉炎から重度歯周炎の4段階に分けられています。

 歯周病は、歯を支える組織(歯槽骨、歯肉、歯根膜、セメント質)に生じる炎症性疾患です。歯と歯肉の境目には2〜3oの深さの溝(歯肉溝)があります。この溝の清掃が行き届かないでいると、細菌が増殖し歯垢(プラーク)が溜まり、この歯垢にカルシウムなどが沈着するとカチカチに固まって歯石に変化します。この歯石は家でのブラッシングでは取ることができません。これを放置しておくと、歯石の上にさらに歯垢が付着するという悪循環が始まります。歯石が歯肉の下(歯肉縁下)にまで成長すると歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起こり、骨が溶けていきます。


歯周組織:歯の支持組織
歯肉:骨を覆っている粘膜
セメント質:根の周りにあり歯根膜の起始部
歯根膜:歯と骨を繋げる靭帯。弾力があり、クッションの役割もある。
歯槽骨:歯を支えている骨

G:歯肉炎 P1:初期歯周炎 P2:中等度歯周炎 P3:重度歯周炎
ポケット 3o以内 4o以内 5〜6o 7o以上
動揺 なし なし あり あり
炎症 あり あり あり(強め) あり(強め)
自覚症状弱め 自覚症状弱め 口臭が強くなる ぐらぐらして痛みがある

歯周病の検査

 歯周病の検査の1つにペリオドンタル・プローブ(歯周盲嚢探針)を用いたものがあります。歯茎と歯の隙間である歯肉溝・歯周ポケットの中にプローブを刺し込み 1)出血・排膿の有無 2)ポケットの深さ 3)歯石の沈着具合 などを確認します。この他には歯の動揺度を確認したり、必要に応じて歯周病菌の検査を行います。


歯周病の治療

 歯周病の治療を進めていくとグラグラしていた歯の揺れが収まり、歯肉が引き締まります。

炎症の除去(歯石や歯垢の除去)や増悪因子のコントロールを行います。

炎症の除去
 1)セルフケアの指導(ブラッシング指導や義歯の管理法などの確認)
 2)歯垢・歯石などバイオフィルムの除去(スケーリング、ルートプレーニング、ポリッシングなど)
 3)動揺歯の固定、義歯の調整・新製など咬合支持の確立
 4)必要に応じて歯周外科手術 など
増悪因子のコントロール
 1)口呼吸の是正
 2)喫煙のコントロール(禁煙がベスト)
 3)糖尿病、骨粗しょう症の治療(内科との連携)
 4)歯ぎしりの治療(マウスピース)  など
    →    
歯肉が引き締まり、骨植がよくなり、磨き易ければ治療は終了
メインテナンスとなります。

歯周病の4S

 歯周病の特徴を捉えて4Sといいます。

Silent disease
⇒歯周病の恐ろしい点はむし歯と違い、痛くてどうしようもないということがないところです。歯周病は無自覚な内に歯肉の腫れがひどくなり、骨がとけ、口臭がはじまり、歯磨きの際に歯茎から血が出て、ぐらぐらとゆれ始めて歯周病であることに気が付くことも多いものです。歯周病は糖尿病や心臓血管疾患を発症しても歯周病が糖尿病や心臓血管疾患の原因であることはまれです。

Social disease
⇒歯周病の罹患率は極めて高い数字を示しており、まさに国民病といえます。歯周病に罹患している方は日本国民の40歳代の約6〜7割に及んでいます。この数字は年齢と共に増加し70歳を超えると歯のある方全てにみられるといっても過言ではありません。

Slowly progres
⇒歯周病はゆっくり時間をかけて進行します。若いうちからのケアが必要です。

Self controllable
⇒歯周病の原因については9割方が判明しています。歯周病は生活習慣病であり、感染症です。日々のケアによってコントロールが可能です。

当院の治療方針

  当院では歯の保存を第一に歯周病の予防・治療を行っています。歯周病治療の最新のEBM(科学的根拠に基づいた医療)、最新、最良の医療機器と患者さんの生活習慣に根ざしたケアによって歯周病の管理を行っています。

歯周病の全身への影響

 最新の研究成果により歯周病の全身へ与える影響について多くのことがわかってきました。歯周病の患者さんは、歯周病でない方に比べ致命的な心臓発作を起こす危険が約2.8倍、早産の確率が7.5倍高いということが報告されています。
 口の中は多くの細菌が生息しており、特に歯についた歯垢は細菌の塊です。歯垢1mg中に約1〜2億個の細菌や膿が含まれており、この歯垢が歯周病や虫歯を引き起こしています。我々はこれらの細菌塊を呼吸とともに飲み込んでいることになります。
 現在では口腔内を清潔に保つことにより、誤嚥性肺炎やインフルエンザなどの呼吸器疾患の予防や心筋梗塞や脳梗塞といった血栓をつくる疾患のリスクを軽減できることがわかってきました

全身への影響

歯周病の危険因子

 歯周病は知らず知らずのうちに罹っている病気です。ご自分の歯周病リスクを意識して歯茎のお手入れをしましょう。

喫煙 タバコ  喫煙は歯周病の代表的な危険因子です。タバコの煙に含まれるダイオキシン類が歯肉に悪い影響を与え、CO(一酸化炭素)が歯肉の毛細血管を収縮させます。ヤニは歯の表面を覆い、黒い歯石や着色を招き、見た目を悪くします。
 また、タバコの煙により鼻の嗅覚と舌の味覚を鈍らせます。歯周病のにおいとタバコの臭いは吸っている本人は気が付きませんが、口臭の原因となっています。
妊娠  実は妊娠そのものが歯周病の危険因子です。妊娠中はつわりなどの影響で歯ブラシを口にいれることが難しくなることがあり、細菌が増える可能性があります。更に女性ホルモンの影響により歯肉が腫れ出血を起こすことがあります。(妊娠性歯肉炎)
 また歯周病は胎児へ悪影響があるため、妊娠前に虫歯や歯周病のお手入れをしておき、妊娠中は定期的なクリーニングをすることをお勧めします。
食生活  甘いものが好き、炭酸飲料が好きという人は虫歯・歯周病の予備軍かもしれません。虫歯菌、歯周病菌は甘いものが大好きです。炭酸飲料はpHが低く歯の表面を溶かしてしまいます。歯の表面はざらざらになってしまい虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
ストレス  ストレスはお口の中に、歯軋りとして現れます。おきている間は自覚書状の無い方でも寝ている間に食いしばりや歯軋りをしている場合があります。
 食いしばりや歯軋りは歯や歯を支える骨に悪い影響を与えます。
 顎が疲れたような感覚があったら一度ご相談ください。
不規則な生活 睡眠不足  不規則な生活は歯周病を含めた生活習慣病のリスク因子です。睡眠不足は不健康の元です。

歯科医院で定期的なケアを受けましょう

 虫歯や歯周病などにより歯を失うリスクを抑えることができます。
 毎日の患者さん自身の適切なブラッシングにより細菌の数を減らし、歯科医院での定期なチェックとケアを受けることにより虫歯、歯周病は予防できます。