インプラント(人工歯根)療法とは、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯(上部構造体)を取り付ける最新の治療法です。従来の治療法では歯の失われた部位のかみ合わせの再建にはブリッジ(橋義歯)と入れ歯(床義歯)を用いることが主流でした。今までの治療法では入れ歯が気になったり、口元が気になったり、食事がおいしくなかったりなど限界がありました。
インプラント治療は、乳歯、永久歯に続く”第3の歯”と呼ばれることもあります。保険外診療となりますが、見た目や噛む力や感触などを取り戻すことができます。快適なライフスタイルを考えた場合にメリットの大きな治療法です。
歯の欠損を補う処置(補綴治療)には人工歯根療法(インプラント)、義歯(入れ歯)、ブリッジの3つの方法があります。いずれも長所、短所があります。
インプラント 〔implant〕 |
■隣の歯を削る必要はありません ■審美的な回復が可能です ■咀嚼力の回復に優れています。天然歯の80%ほど回復でします。 ■歯を失った部位の骨や歯肉の保存ができます。 ■かみ合わせの回復よりアンチエイジングが可能である ■上部構造のバリエーションが多い |
■外科手術が必要となる *大手術ではありません ■保険適用外となります ■みこと、のみこむことが難しく ■全身状態により治療ができない場合があります ・感染症の方・・B型肝炎、C型肝炎、HIV/AIDS ・内科疾患のある方・・糖尿病、高血圧症 *状態によります ・骨の病気の方・・骨粗鬆症、骨形成不全症 ・チタンアレルギーのある方 ■残っている骨の状態により治療ができない場合がある |
入れ歯 〔denture、義歯〕 |
■ブリッジと異なり、両隣の健全歯を削らずにすむ *バネをかける部位を削る場合があります ■ブリッジで対応できない大きな欠損の治療ができる ■比較的短期間のうちに機能回復できる |
■がたつき、はずれやすい ■異物感が大きい ■バネによる隣の歯への負担が大きい ■取り外して清掃の必要がある ■食べ物が挟まりやすい ■発音が変わる |
ブリッジ 〔bridge、橋義歯〕 |
■固定式のため、違和感が少ない ■義歯に比べ、噛みやすい ■材料により審美的回復ができる |
■両隣の歯を削る必要がある ■支える歯に負担がかかる ■口腔内が不潔になりやすく、虫歯になりやすい ■発音が変わる |
インプラントは歯根に相当する歯根部(フィクスチャー、インプラント体)と歯冠に相当する上部構造、そしてそれらを連結する部分である支台部(アバットメント)から構成されています。入れ歯やブリッジでは歯根部を再現することができません。
■歯根部(フィクスチャー、インプラント体)
:生体親和性が高く軽く上部で骨と結合する性質をもつTi(チタン)を材料とした部位です。顎の骨の状態などの条件により形状や長さを選択します。
■歯冠部(上部構造)
:実際に物を噛む部分です。ブリッジやクラウンを被せる場合や歯のまったくない方へマグネットアタッチメントなどを併用した特殊な構造の義歯を製作します。
インプラント治療は段階を追って行います。
1.まず口腔内診査やエックス線検査、模型診査、CT検査などを行います。骨や粘膜などの状態を確認後、インプラントの手術日を決めます。 | 2.インプラントを顎骨に埋め込むために、骨に穴を開け、埋め込みます。しっかりと固定し骨にインプラントが結合するまで数ヶ月待ちます。期間は症例により異なります。 | 3.インプラントと骨が結合してから上部構造をとりつけます。この後、インプラントを長持ちさせるために手入れの方法を練習します。 |
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